受信サービス株式会社

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時々発生する雑音障害を発見する新探査法

 弊社では、「高感度レシーバーPR100」を用いた、時々発生する雑音障害を発見する新しい探査法を確立しました。PR100は、ドイツ R&S(ローデシュワルツ)社の測定器です。

 PR100の詳細はこちら 妨害電波を探査する「R&S製 PR100(高感度レシーバー)」

 PR100は、高感度も特徴の一つですが、スペクトラムアナライザー(以下、スペアナ)機能(周波数軸測定)とオシロスコープ機能(時間軸測定)を合わせ持っています。スペアナ機能は「パノラマ・スキャン」、オシロスコープ機能は「ウォーターフォール」と呼ばれます。これらは次のように組み合わせて表示することができます。

表示方法説明
 スペクトラムアナライザー表示(1画面) 一部の拡大表示機能あり
 スペクトラムアナライザー表示(2画面)
 ウォーターフォール表示(1画面) 時間変化を観測
 スペクトラムアナライザー+ウォーターフォール表示 スペクトラムと時間経過を同時表示

 当社では、これらの機能を次のように使用して効果を挙げています。

目的の波形の拡大表示(瞬時)

 「スペアナ機能」は一般的なスペアナの使い方とぼぼ同様ですが、特徴として「波形内に表示したマーカー位置を中心に瞬時に拡大」することが可能です。

 例えば、スペアナで波形観測をして、異常な波形を発見した場合などには、その波形にマーカーを移動することで、その周波数を中心に最大±10MHz, ±5MHz, ±1MHz等の範囲を拡大して観測することができます。

拡大表示

 間欠(時々発生する)雑音の観測

 短時間の間欠雑音の発生源を把握するには、その調査の特殊性から、通常行われる雑音発生時間中にアンテナ方向から最大方向を求める事が難しい。 弊社ではこの雑音電波の新しい障害探査法で、今までより短時間で、障害源を特定する事ができました。

 この方法はPR100を用い、1箇所の調査地点で90度ずつ4方向の電波を計測し、雑音発生源をリアルタイムスペアナ、ウォーターフォール、GPSコンパス付き位置情報、電界強度で特定することができます。

 障害の中でも、特に「間欠雑音(時々発生する雑音)」は調査に膨大な時間が掛かります。この時、役立つのが時間経過を観測できる「ウォーターフォール」機能です。(数時間間隔などの場合はデータロガーの出番になります。)

 この機能は、波形の時間経過を記録し、そのレベルを色分けして表示します。これにより、過去に間欠的に発生した雑音を知ることができ、その位置にマーカーを移動することで、発生時点のスペクトラムを再び表示し、観測することができます。

○障害波形の変化の観測(例1)

<「雑音なし → 雑音発生」 状態の波形変化>
雑音の波形変化
<「雑音発生 → 雑音なし」 状態への波形変化>
雑音の波形変化
○障害波形の変化の観測(例2)
雑音の波形変化

 位置、方位

 GPSを内蔵していますので測定ポイントが正確にわかります。また、コンパスも内蔵しているので、測定アンテナの向いている方向(一般的に障害源)を角度で表示します。(障害源探査の基本である3点調査が正確にできます。)

PR100の使用方法について

 この測定器の使用方法は、従来のスペアナとは若干異なっていますので、使用には慣れが必要です。PR100をリースやレンタルで入手しても一長一短には使いこなせないのではないでしょうか。

 その理由の一つは、まずマニュアルが全て英文であることです。当社では翻訳した日本語版を作成しています。次に、この機械は「レシーバー」、すなわち受信機なので無線機を扱うような感覚が必要です。

PR100とその他の雑音測定器の比較

 次表のように各種の測定器がありますが、それぞれに一長一短がありますので、障害の発生状況に合わせた選択が必要です。当社ではこれらの測定器で、雑音調査を実施しています。

調査項目
操作項目全帯域の確認確認後、該当周波数の拡大アンテナによる方向探知原因の確認
(SWのon-off)
スペアナ 3466NOKCenterの設定OKOK
ETHOKCenterの設定OK OK
アナライザ機能
PR100OKマーカー位置での拡大(10MHzまで)GPS、角度測定(方位)OK
スペアナ+4分割OK動作後、不可動作後、不可OK
波形の変化
操作項目波形の確認記録記録の確認間欠雑音
スペアナ ETH目視(MaxHold)メモリーカード静止画の再現困難
スペアナ
   +パソコン
静止画(MaxHold)パソコン静止画の再現周波数毎のレベル測定困難
スペアナ+4分割動画(MaxHold)長時間可能
(時~月)
ハードディスク
確認に長時間必要、現場ではできにくい可能(長い間隔の雑音に対応)
PR100目視現場で記録した時間から遡って確認できる(長時間は不可)メモリーカードその場で確認できる可能(ウォーターフォール)
RFキャプチャなし(他のスペアナ等)ハードディスク電波の姿のままコピーする動画波形の再現ETH・スペアナ等による分析変化状況に対応

 新探査法はこちら 短時間に発生する瞬間雑音・妨害電波に威力を発揮する新探査法

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