受信サービス株式会社

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地デジ障害事例 ~テレビ共同受信設備~

当社で体験した地デジ障害事例のFAQ集です。
地デジの受信改善の参考としてご覧ください。
内容によって高度な技術と測定器を必要とします。
※ 事例は専門的です、ご了承ください。

当社で使用している調査測定用機器(自社保有品)

送電線による反射障害 ~UHF位相差給電アンテナによる改善

D/Uの変化(前後)

○ 測定結果
-右図は、測定時間帯は異なるものの、送電線の架線の揺れの傾向は類似性が認められます。

-この状態で、位相差給電アンテナの設置前後を比較すると、
・平均的には、D/U=15dBが18dB程度に約3dB改善されています。
・最悪 D/U値(約8dB)は、14dB程度に約6dB改善されています。

○ 比較アンテナ
-改善前
24素子八木式アンテナ 1基
-改善アンテナ
14素子八木式アンテナの2基逆相合成
(日本アンテナ、NPC-ALH) 1組
ヌル角度 右前方約8度

アンテナ アンテナ
送電線(3相4回線,グランドワイヤ2本)と
VHF帯用位相差給電アンテナ(交換前)
UHF帯用位相差給電アンテナ
テレビ神奈川受信用アンテナ(上)
規格表

マンション屋上受信で特定チャンネルの受信が不安定

 地上デジタル受信アンテナ設置後(レベル及びCN比は正常値)1年経過したころから、21チャンネルの受信が不安定になり、ブロックノイズが発生したり、受信不能になりました。
スペクトラムアナライザーで測定した結果、地上デジタルの受信波形(OFDM)にハートマークの様な切れ込みが発生していることから、遅延時間が短い近距離のマルチパスにより、時々受信不能となっている事がわかりました。

スペクトラム波形(右図)から路長差は約80mと判断しました。目視では反射するような建造物はなかったため、送信点に近い建設中のビルなどによる壁面反射ではないかと考えました。

改善策
DU比を改善するため、受信アンテナの設置場所を数メートル変更し、高さを数十センチ直す事により、安定受信を確保しました。

ガードインターバル(126µs)越えの電波が到来し受信不能(過去の事例)

 東京タワー受信用のアンテナ(21ch~28ch)を設置し約1年が経過してから、近くに新しい中継局(平塚中継局 18.19.21~26ch)が開局し25、26chにブロックノイズが発生したり、受信不能になりました。
原因はガードインターバル(126µs)越えの障害があったためです。

 25、26chは同一チャンネルとなるため、地デジシグナルレベルメーターで遅延プロファイルを測定したところ、ガードインターバル越えをしているチャンネルがありました、19chは同一チャンネルではないので障害はありませんでした。

改善策
東京局受信を平塚局受信に変更しました。
中継局が近くに開局した時は、近くの局を受信するようにしましょう。

増幅器不良による受信不良

 複数の増幅器を使用しているマンションの一系統で、地上デジタル放送の品質が低下し、シグナルレベルメーターで測定したところBERが2E-4以上になり、受信不能となりました。
そこで、シグナルレベルメーターでA階層(1Seg QPSK)を観測したところ、コンスタレーションがハレー彗星のように尾を引いた典型的な障害の波形となっていました。

 原因は、この信号系統に挿入されている増幅器の電源部故障によるフリッカー障害でした。

  A階層(QPSK)                 B階層(64QAM)
 
フリッカーなし     フリッカー発生時      フリッカーなし    フリッカー発生時

改善策
電源フリッカーの発見はアナログテレビでは、テレビの画面で簡単に判別できました。しかし地デジではシグナルレベルメーターのような測定器が不可欠です。A階層(1Seg QPSK)やB階層(64QAM)を観察し判定します。増幅器の新規交換により改善しました。

同軸ケーブル不良で地デジ電波が流れない

 このマンションの同軸ケーブルの配線は、一戸1ルートの独立配線型で、地上デジタル放送が良好に受信できる部屋と受信できない部屋がありました。マンション内の同軸ケーブルの伝送テスト(同軸ケーブルの特性試験 トラッキングジェネレーター付きのスペクトラムアナライザー使用)を実施したところ、一部の同軸ケーブルで、UHF帯域の電波が著しく低下するディップ点があり、通常より30~40dB減衰していました。

 同軸ケーブルの抜き替えも困難でしたので、マンション管理組合と協議を行い、ミッドバンド帯に電波を流す事になりました。ミッドバンド帯は62MHz(10ch分)あります、その帯域に地デジを流す事もできますが、ケーブルテレビ局との電波の兼ね合いがあります。このため、伝送できる地上デジタル放送のチャンネル数は8ch分と少なくなります。

改善策(特例)

このマンションは東京でしたので、管理組合と相談の結果、MXテレビの信号レベルを下げ、放送大学を含む9チャンネルの伝送をしました。

UHF帯の地上デジタル放送のチャンネルにブロックコンバーターを用い、ミッドバンド帯へ変換、同軸ケーブル内にUHFとミッドバンドの地上デジタル放送を混合して伝送しました。同じ放送がUHFとミッドバンドにあっても、チューナーの自動選択で、受信レベルの高い方のチャンネルが選択され、正常に受信できます。

TVセットによっては再スキャンまたは初期スキャンをする必要があります。
また東京周辺の神奈川県、埼玉県、千葉県などでは、県域民放があり、MXテレビの代わりに、これら県域民放のチャンネルをミッドバンドや、スーパーハイバンドのC23チャンネル以上へ、単チャンネルまたは複数変換して伝送することもできます。(特注品)

ケーブルテレビ局と話し合いが必要です。

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