受信サービス株式会社

ホームページのリニューアルに伴い、以前のコンテンツをこちらに掲載します。

TOP > 受信障害 > 障害改善はノウハウの積み重ね!

障害改善はノウハウの積み重ね!

 デジタル放送が開始(2000年BSデジタル放送、2003年地上デジタル放送)されて、58年続いたアナログ放送は終了し、完全にデジタル化されました。

 障害でお困りの方の一日でも早い解決を図るために、当社で解決したデジタル受信障害のノウハウの一部を公開しますので、参考にしていただければ幸いです。

ノウハウ「その1」

 デジタル化が進むにつれて画面に「ブロックノイズ」が発生したり、「フリーズ」する、加えて「時々映りが悪くなる」という症状が多く寄せられるようになってきました。これらの症状はデジタル放送特有のものです。

 この症状からは何が原因かサッパリ判りません。お手上げです。しかし、その原因はアナログ放送時代にあった原因とほとんど同じものなのです。デジタル放送になっても、電波の伝わり方や障害原因の一つとなる建造物など、あるいは雑音を発生する電気器具などはアナログ時代から変わっていません。

 例えば、建造物による障害の場合は、アナログ放送の場合は「ゴースト(幽霊のように画像が二重三重に重なって見える症状)」になりますが、デジタル放送の場合は「ブロックノイズ」か「フリーズ」となります。このようにアナログ放送の “弱電界” や “ビート障害” および “パルス障害” などは、デジタル放送では「ブロックノイズ」か「フリーズ」の症状となります。

ノウハウ「その2」

 このことは、従来のように画面症状から障害原因を推定して、それに特化した調査をすることができませんので、デジタル用調査機器が必要になります。

測定項目は、
スペクトラム レベル(チャンネルパワー) CN比 BER(MER)

などを最低限チェックする必要があります。
さらに、ゴーストに相当するマルチパス(遅延時間、DU比)も確認する必要があります。

ノウハウ「その3」

 さらに、これらの機器を使いこなす技術力(背景に障害探査技術に加えてデジタル放送技術)が、従来より高度にかつ幅広く求められます。当社では、常に技術力向上のために放送受信の永年の経験を持つコンサルタント(デジタル・インストラクター.COM)に社員の研修を依頼しています。

ノウハウ「その4」

 以降の事例は、当社がここ数年で経験・改善した「時々ブロックノイズが発生」するケースの一部を紹介したものです。色々なケースのノウハウがありますが、原因を突き止めると意外にアナログ時代の原因と同じものなのです。

ノウハウ「その5」

 当社では、色々な障害に遭遇することにより、効率的な障害探知方法のノウハウを積み重ねてきました。ここでは詳しく説明しませんが、改善した事例および使用したデジタル放送用測定器などから、その一端が垣間見られると思います。

デジタル障害探査用測定器(例)
デジタルTV信号アナライザー R&S ETH(K160:ISDB-T、GPS他オプション付加)
デジタルTV信号アナライザー R3466N(TG、ノイズジェネレーター他オプション付加)
シグナルレベルメーター LF990・LF986
スペクトラムアナライザー U3741 地上デジタル受信特性測定ソフト付
スペクトラムアナライザー FSH3
デジタルTV信号マージンチェッカー 5283
雑音調査探査機 3144
フィールド再現テスト装置(RFキャプチャ) 4412A-001
ミスターDENPA(電波障害解析ソフト)
データロガー DCOM-100
4分割データロガー 4CH STANDALONE DVR
デジタル温度計 SK-L200TII

 次に当社で経験した “ブロックノイズ” “フリーズ” の事例の概要を紹介します。この事例を研究していただければ、色々な障害に対応できることでしょう。

事例 1 時々発生する、一部のチャンネルに発生する

この症状は、電波の伝搬距離、伝搬路の季節的な変化、伝搬路に海上や樹木がある、伝搬路を移動体が通過する、など時間的変化に起因するものが多い。

放送局より距離が遠くなる(50~100km)ほど、地球の丸みの影響を受け、送・受信点間の見通しが悪くなり、伝搬途中の海面反射や潮位の変動、大気の温度変化などが想定される。減衰は数dBから数10dBになることがある。

ポイント
  • 多素子アンテナとローノイズブースター(NF1.0dB以下)を活用する。
  • デジタル波のマージンをできるだけ高く取るため、アンテナの移設やダイバシティ受信などの受信点を探す。
  • デジタル受信機までの同軸ケーブルのロスを小さくする。(例:S-5C-FBにする)
  • 発生が不特定の場合は、長時間の測定を行う必要がある。
使用測定器
  • ETHLF990で測定
  • U3741(スペアナ)とVGA変換LF986地デジチューナーを組み合わせ、4分割HDDによって長時間計測
  • R3466VGA変換LF986地デジチューナーを組み合わせ、4分割HDDによって長時間計測
  • LF986×2台地デジチューナー外付けビデオカメラによる計測
ローノイズブースター
ローノイズブースター

伝搬路の樹木は、電波が減衰(VHF帯ではほとんど減衰しないが、UHFの減衰は大きい)する。春から夏にかけて、特に水滴が付着するとより減衰するため受信が不安定になる。 天候(降雨、雪、潮位、ダクト、フェージング)など自然現象による障害。

ポイント
  • 受信アンテナを電波到来方向の樹木より出来るだけ高くする、または移設する。
  • 超ローノイズブースター(NF1.0dB)を使用する。
  • 他に受信できる中継局がある場合は、受信局を変更する。
  • 気象などによる変化は、長期の調査が必要な場合があるので、「RFキャプチャ」や「データロガー」などの長時間記録装置を用いて最適な受信点を探す。
使用測定器
  • LF990(LF986)R3466データロガーの組み合わせによる長時間計測、マージン測定器(5283)による余裕度の確認も必要である。
RFキャプチャ
RFキャプチャ

海上伝搬(海上・河口・湖面など)をしている電波を受信している場合、潮の干満で電波の直接波と海面反射波が合成されて受信されるため位相が大きく変化し、受信状況が変わる。(大潮の干満の差が大きいときなど)
海岸地域は見通しが良く、電波の受信条件は良好であると思われがちですが、海上伝搬は特異な現象となり、「時々、デジタル受信が困難になる」などの原因になる。

ポイント
  • ハイトパターンピッチを計算し、受信チャンネル全体がピッチの谷間にならないようアンテナの高さなどを変える。
  • 他の中継局へ受信局を変更する。
  • 高性能受信アンテナで改善しない場合は、影響を受けにくい場所への受信アンテナの移設や、複数の受信アンテナによるダイバシティ受信などを検討する。
使用測定器
  • 潮位との関係をデータロガーなどにより自動記録し、解析からアンテナ位置や高さなどを変更する。
  • LF990(LF986)データロガーの組み合わせによる長時間計測で解析する。
  • 事前にミスターDENPAによる海上伝搬の有無や、反射の強度などを机上シミュレーションする。
プロフィール
プロフィール

電波を遮へい、または反射する金属構造物(当社での対応例:電車、工事用大型クレーン、航空機、ヘリコプターなど)によって、受信レベルが遮へい、反射の時間に対応して受信できなくなる。

ポイント
  • 電車などの移動に伴う受信レベルやCN比の変化の関係を測定する。
  • 後方からの反射障害の場合は、FB比の高い(23dB以上)アンテナを用いる。
  • 遮へいなどによるレベル低下を補うためローノイズブースターの追加や、施設全体の受信レベルのゆとりを確保する。
使用測定器
  • LF990(LF986)R3466など(受信レベルやCN比を測定できるもの)とデータロガーの組み合わせによる長時間計測。
  • 移動体との関係を明らかにするためには、4分割HDDデータロガーにカメラを組み合わせる。
4分割HDDデータロガー      電車通過による受信レベル低下
4分割HDDデータロガー 電車通過による受信レベル低下

地デジの電波に近い周波数を使用している業務用無線局が近くにある場合は、ブースターで増幅され障害となる。

ポイント
  • 無線局側と相談をして、防止用フィルター(LPFなど)を無線局に付加する。
  • 受信アンテナの設置場所を変更する。
使用測定器
  • FSHや、LF990(LF986)ETHなど受信レベルを測定できるもの
スペクトラムアナライザー波形
スペクトラムアナライザー波形

受信アンテナの給電部の芯線ネジ止めや、外部導体の締めつけにゆるみがある場合に発生することがある。

ポイント
  • アンテナポールの取り付けが悪く、アンテナ本体が揺れる。→ しっかり固定する。
  • アンテナ前方の樹木が揺れて電波を遮へいする。→ アンテナ位置変更や高くするなど。
  • 海上伝搬の場合は、風向きによって映りにくい時もある。
使用測定器
  • LF990(LF986)ETHなど受信レベルやCN比を測定できるもの

受信者宅前方に建造物群があり、受信中の電波が若干遮られている。この状態で、受信中の一部の電波と同一チャンネルで新中継局が開局したため、ガードインターバル越えの混信が発生した。

ポイント
  • 希望波を強く(素子数の増加など)受信することが基本であるが、併せて妨害波の抑制(受信アンテナの指向特性など)も大切である。
  • 希望波局と妨害波局の角度差を利用して、妨害波局方向に遮へい物がくるようアンテナの位置を変える。
使用測定器
  • 遅延プロファイルの測定できるデジタルアナライザ(ETH、LF990)で測定する。測定できる遅延時間は一般的に300µs程度であるが、ETHは10msec(路長差 5,000km)まで測定できる。
ガードインターバル越えの遅延波
ガードインターバル越えの遅延波

地上デジタル電波のスペクトラムに大きなうねりが現れ、反射波の強度によりその切れ込みが極端になると受信ができなくなる。

ポイント
  • アンテナを数mの範囲で移設する。
  • 近接の後方反射は、反射波をカットする場所へアンテナを移設、FB比の高いアンテナに変更する。
  • 高圧線などの影響の時は、アンテナを高圧線から出来るだけ遠ざける。
使用測定器
  • スペクトラムアナライザ(FSHなど)でチャンネル毎のスペクトラムを観測する。
  • デジタル信号アナライザ(ETH、LF990、LF986など)のOFDM波形を見ながら最良点を探す。

特に地形的に高い場所、高層ビルの屋上、海岸地域など見通しの良好な場所で、多数のデジタル放送中継局の電波が比較的高い電界強度で受信できる事がある。

ポイント
  • 受信アンテナの指向特性で、不要な電波を受信しないようにする事もある程度はできるが、ロケーションが良すぎる場合は、不要な電波を除ききれない場合が多い。
  • 受信点の場所をマンション棟屋(エレベータールームなど)のシールド効果を利用するなど、設置場所を工夫する。
使用測定器
  • LF990(LF986)R3466ETHなどマルチパスを測定できるもの

正方向の電波が受信できない場合には、反射波を受信することも考えられる。
受信電界が強ければブロードな(半値幅の広い)アンテナにする事も良いでしょう。

ポイント
  • 反射波はその反射物によって、将来にわたり安定して受信できるかを確認する。
使用測定器
  • LF990(LF986)R3466など受信レベルやCN比、マルチパス(遅延プロファイル)を測定できるもの

中継局は近いが受信アンテナ前方に山があり、回折波を受信しているが一部のチャンネルが映らない。

ポイント
  • 回折波は基本的に電波が弱いことが多いので、ローノイズブースター(NF1.0dB以下)を挿入する。
  • 映りの悪いチャンネルのハイトパターン(受信アンテナの上下)を見て、最終的には全チャンネルを確認する。
  • 回折波は不安定受信の場合もあるので、受信地点にも注意する。
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベル、CN比、BER、波形、遅延プロファイルを測定できるものを使用する。
  • 場合によってはマージン測定もする。

受信者宅は山間地の谷間にあり、現在はVHFのアンテナを裏山の山頂に建て、約200mの同軸ケーブルで引き下ろしている。 受信者宅周辺で受信困難なのは現地の地形からも容易に判断できたので、山頂で受信測定を実施した。

ポイント
  • 受信点周辺の樹木の成長も考慮して受信アンテナの場所を決定する。
  • 山頂での受信状況調査は、事前に机上で当該地区のチャンネルなどを詳細に検討し、アンテナの種類やローノイズブースターの必要性など、色々な状況を事前に検討して出向する必要がある。(山登りを何回もする事になる)
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの
  • ミスターDENPAなどによるプロフィールで電波到来方向の見通し確認

当社ではミリ波(60GHz帯)を利用した受信方法を開発しています。比較的簡便に設置できますので、ご相談ください。

電波到来方向に樹木が多く一部のチャンネルが映らない。電波到来方向に樹木があり、雨が降ると一部のチャンネルが悪くなる。 アンテナ建設時は映ったが、その後時々映らなくなった。これらの症状は樹木が季節で変化したことが原因である場合が多い。

ポイント
  • 受信点周辺の樹木の成長も考慮して受信アンテナの場所を決定する。
  • 他に受信できる中継局がある場合は、受信局を変更する。
  • 安定した位置、場所、高さなどを見極める。
  • プリアンプを挿入し、受信低下分を補う。
使用測定器
  • 樹木などの変化は、季節によって調査が必要な場合もあるので、「RFキャプチャ」「データロガー」などの長時間記録装置を用いて最適な受信点を探す。
電波到来方向に樹木がある
電波到来方向に樹木がある

受信レベルの不足は、基本的に受信アンテナと受信地点で改善します。 テレビ電波の受信には、電波を捉える受信アンテナの働き、性能、設置方法などを知っておく必要があります。

ポイント
  • ハイトパターンを考慮して、受信アンテナを設置する高さや位置を決める。
  • 超ローノイズブースター(NF1.0dB)を給電部直下に挿入する。
  • 30素子アンテナの設置に当たっては、以下の注意が必要である。
    • 受信アンテナ本体の全長が約3mになるので、設置時の安全対策に注意する。
    • 本体の揺れや、特にネジの締め付けなどは通常より増し締めが必要である。
    • 風圧加重・積雪などに考慮してステー付屋根馬を使用し、ステーは多段に取る。
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの
  • マージンチェッカー5283で受信マージンを確認する。

既存のUHFアンテナで地デジを受信しているが映りが悪い。
簡易アンテナを使用していて一部のチャンネルが映らない。

ポイント
  • アナログ波と地デジ波の受信チャンネルが異なると、使用しているアンテナも地デジの受信帯域に合わせる必要があります。
  • ベランダに「簡易アンテナ」を設置していて受信レベルが不足の時は増幅器を追加する。
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの

台風通過後には、強風や大雨によりアンテナの方向がズレたり、集合住宅のBOX配管や隙間から漏水し、増幅器に直接水が入り込み動作が停止する。またブレーカーが落ちるなどのトラブルが発生することがある。

ポイント
  • 緊急性を求められるので、以上の諸症状に対応できる準備をして出向する必要がある。
  • 台風の通過後は気温が一変する場合が多く、故障が発生する事がある。
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの

増幅器(ブースター)電源部の電解コンデンサーの容量抜けで、発生したブロックノイズやフリーズとなった例である。

ポイント
  • 左図のB階層(64QAM)コンスタレーションは全体的に乱れた状態である。この時、A階層(QPSK)のコンスタレーションを観測すると右図のようにシンボル点が振幅方向に広がり、特徴的に変化していることが判る。
  • このような障害ではA階層もチェックすることがポイントである。
使用測定器
  • コンスタレーションを測定できるデジタルTVアナライザ(ETH)を使用する。
B階層(64QAM)     A階層(QPSK)

「テレビ用ブースター」と廊下、通路、玄関口、エレベーター内の照明、ポンプ類、街灯、スポット照明などが共用の電気ブレーカーのグループになっている事を見かける。

ポイント
  • テレビが全世帯映らなくなった場合は、まず共用盤のブレーカーを確かめてください。スイッチONで直る事もあります。
  • ブレーカーが「中立」になっている場合は、一度ブレーカーを下げてからONにする。
  • 管理会社や保守業者に連絡する前に、ブレーカーの確認をする。
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの
  • AC100Vの測定できるもの(テスター

デジタルテレビは、アナログテレビとは異なり、何らかの原因で動作しなくなることがある。

ポイント
  • 改善するには、一度電源を切り(コンセントを抜く)、5秒程度待ってから再度プラグを差し込む。(強制リセット)
使用測定器
  • LF990(LF986)など受信レベルやCN比を測定できるもの
  • AC100Vの測定できるもの(テスター

配電線が、受信アンテナから見て電波到来方向に存在し、アンテナと同じ高さにあると、受信状況によっては配電線から数十メートルの範囲で影響(遮へい障害)する事がある。 配電線による遮へいや配電線からの再放射のために受信電波の位相が変わり、受信が不安定になる。

ポイント
  • スペクトラム波形を見て大きな切れ込みが出ないようアンテナの高さや位置を変える。
  • アンテナの位置を配電線より電波到来方向に移動する。
使用測定器
  • LF990(LF986)などスペクトラムが観測でき、受信レベルやCN比を測定できるもの

近隣でブースターの異常発振が起きると、ある特定のチャンネルのみ受信レベルが異常に高くなることがある。スペクトラムを見ると急峻な発振波形が正常なスペクトラムの上に重なって観測される。

ポイント
  • スペクトラムアナライザーを使用して、3点法でブースター発振レベルが最大になる方向から原因ブースターを特定する。
  • ブースター発振の原因はブースターの不良、同軸ケーブルの工事不良などがあり、不安定に周波数変動する。
  • 妨害源を発見した時は、人間の本能として「捕まえた」という感覚になりますが、決して犯人扱いしないようにしましょう。(ブースターを使用している本人もご存知ない事がほとんどです)
使用測定器
  • U3741スペクトラムアナライザーで観測
ブースター発振による妨害波
ブースター発振による妨害波

サーモスタットの接点が完全に開閉しないために火花が発生(火花は全て雑音電波となる)しているため、ブロックエラーなどの障害となる。

ポイント
  • この状態では冷凍機の能力も落ちているため、所有者に処置を依頼する。
  • 家庭用冷蔵庫では、妨害例はほとんど無い。
使用測定器
  • ハンディ・スペアナ(FSH型)はスペクトラムが観測でき便利である。

≪≪ 一覧に戻る

ページのトップへ戻る